「先生〜お久しぶりです‼️」声をかけられ振り向くと懐かしい顔が目の前にあった。
「久しぶり、元気だった?
何年前の卒業生だっけ?」私からの質問に、その人は
「かなり前です、ちょうど先生に家に泥棒が入った頃の学生です」
💧💧💧
苦笑と共に、すっかり忘れていた事実を思い出した…
そうだった、あれから20年以上なるだろう、私が長期海外出張中に一人暮らしのアパートに泥棒が入り、引っ越しさながらトラックで電化製品から装飾品、現金などごっそり運び出していた時のことを思い出した。
帰国してトランクを手に家の鍵を鍵穴に入れ回した瞬間、鍵がかかっていないことに気づいた、家の中に入るとすぐに泥棒に入られたことが分かった。
警察に来てもらい状況説明している時に「良くこんなに一式取っていきましたね〜」と感心している私を、警察官は呆れた顔で事情聴取していた、あの日のことがフラッシュバックした…
あの時、多くのものが無くなったが、今考えるとそれでも元気な今がある。それどころか何が取られ無くなったのかすら覚えていない…
我ながら呆れるほど脳天気な性格だ…
私にとって苦い思い出だが、それすら完全に忘れていた。
生きていさえすれば何とかなる、そんな事を今更ながら学んでいる…
秋山エリカ