今から30年以上も前、秋山は大学1年生。
選手としての活動がスタートした。
担当だった小林先生(現在の津城先生)が作品を手がけてくださる。
「秋山、クラブの風車をしながらステップをして次は開脚ジャンプの連続をやってごらん」
言われたことが一つも出来なかった。クラブの風車、開脚ジャンプもタイミングが掴めず一回しか飛べない。クラブだけではない、リボンの投げ方を知らない、それどころかリボンのスティックの持ち方すら間違っていた…
とにかく基本がなっていなかったのだ。
この時、先生は心の中で秋山は何て不器用で運動オンチ何だろうと思ったに違いない、しかし先生はそんなことを一言も言わず私に新体操の基本を教えてくれた。
ボールの持ち方、リボンのスティックの握り方、投げ方、ジャンプの跳び方…
基本を丁寧に教わった時、「できた‼️」「わかった‼️」そんな感覚が掴め、はじめて新体操が面白いと思った。
そんな私だったが、子どもの頃から続けてきたクラシックバレエの基本を生かした作品を作ってもらい試合に向かった。
大学生活初めての試合。
6月に行われた東日本インカレは、ひたすらに先生が教えてくださった基本を思い出しながら演技をした。
夢中だった、音楽と自分だけだった…
高校最後の大会で場外をしたフープも、持ち方から教わったボール、クラブ、ミイラみたいに絡まっていたリボンも何とかクリアし、新体操を始めて4年目にしてやっとノーミスの演技が出来た‼️
最後の種目が終わった瞬間、飛び跳ねたくなるほど幸せだった…
全ての競技が終わり、沢山の人が私の周りに集まってきて「おめでとう」の言葉をかけてくれた。
最初は何のことかわからなかったが、私はこの大会で優勝していた🏆…
そして全日本インカレと優勝を重ねた時、練習ノートに津城先生が書いてくださった言葉がある。
「オリンピックに行ってください…」
オリンピックとは雲の上の人が行く場所だと思っていた私が、初めてオリンピックを意識した瞬間だった…
津城先生は今、私たち東京女子体育大学の後援会長を務めてくださっている…
今でも私は大きな愛に守られここにいる…
秋山エリカ
この続きは次回(^^)