東京女子体育大学新体操競技部

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運動オンチのオリンピック その3

運動オンチのオリンピック その3

 

恩師で忘れてはならない人がいる。
五明みさ子先生だ‼️

五明先生の作り出す独特の世界、世界を驚かせる作品は今でも私の憧れである。

五明先生との練習は大学1年の秋にスタートした。
1983年、フランスのストラスブールの世界選手権大会の日本代表に選ばれた事がきっかけである。
五明先生はその当時、個人のナショナルコーチだった。絶対女王の山崎浩子さんを担当され押しも押されぬ日本のトップコーチ、そんな方に教えていただけることは大きな喜びだった。
高校生から新体操をスタートした私、しかも何度も言うように運動オンチも重なり、演技が仕上がるまでにとても時間がかかる、人が一回やって出来ることが私には出来ない10回、20回、時には100回.1000回の練習が必要になる、それでも五明先生は練習に付き合ってくれた。

世界のデビュー戦であるフランスの世界選手権こそビギナーズラックで、何とか良い演技ができたが、それからの試合は満足できるものではなかった。
世界の大会に出る機会が増えると、世界のトップ選手の演技を目の当たりにし、自分の技術の無さ、手足の短さや、背の低さ、とにかく全てが足りていないと感じ落ち込むことが多かった、そんな気持ちなので試合も良い演技など出来るはずがない、試合が終わるたびに自分が自分で嫌になっていった…

そんな私であったが五明先生は私がどんなに惨めな演技をしても叱ることは無かった。

1984年、ロサンゼルスオリンピック夢のオリンピック代表を手に入れ、オリンピックの舞台で演技をしたが、やはり納得のいく演技とはならなかった。
オリンピックでの演技が終わった後五明先生には「また頑張ろう‼️」そう声をかけてもらったことを今でも覚えている。

こんな私なのに見捨てることなく、又、と言うチャンスを与えると先生は言ってくださった…

その言葉を噛み締めながら、新体操の個人演技は個人演技でありながらチーム戦なのだと感じ始めた。

そう私は1人ではない…

毎日、練習を見てくれる人がいる
ピアノを弾いてくれる人がいる(その当時は生伴奏でピアニストの古川悦子さんは朝から晩まで練習に付き合っていただき、腱鞘炎で針を打ちながらピアノを弾いてもらいました)
レオタードを作ってくれた人
ボールやリボンなどの手具を作る人
フロアーマットを作る人、敷いてくれた人
審判
試合の時程、プロデュースをする人
ボランティア
送迎
試合前に食べたお弁当一つとっても米を作った人、魚を釣った人、野菜を育てた人、調理した人、運んだ人…

私は、目に見えない多くの人たちの力によって演技ができるのだと感じるようになった、そして全ての人は自分のベストにチャレンジしているはずだ、例えば、レオタードを作る人は最高のレオタードを作ろう、ピアニストは素敵な音楽を奏でよう、農家の人は美味しいお米を作ろう、プロデュースする人は選手が安心して演技できる環境を作ろう…そんな人々の思いで1つの試合は作られている、そう思うと感謝の気持ちでいっぱいになった。

私も私に出来ることにチャレンジしよう、私にできることはたった一つ、自分に与えられた演技をやり遂げることだ、そう思えるようになって行った。

五明先生の「又、頑張ろう」の一言は、私の心を大きく変えてくれた…

※運動オンチのオリンピックはまだまだ続きます…

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