ウクライナ紛争から逃れ、難民として一歳にも満たない息子さんと5月に日本に入国したバレリアは、以前から交流があったスポーツバレエの先生だ。ウクライナにいた時はデルギナスクールやフィギュアスケートのナショナルチームのバレエを専門に指導されていた。
バレリアは入国後、直ぐにでも働きたいと言い、私たち東京女子体育大学の専任バレエコーチとなった。
話しによると、戦争が始まって直ぐにポーランドに逃げ、それから車でドイツ、フランスを経由し、日本に入国した。車はフランスに乗り捨てた状態で子どもを抱え、トランク1つで日本に入ってきた。
バレリアは日本人の身体を良く学び、また新体操に必要なバレエは何かを常に考え指導してくれる。そして、どんな選手にも明るく丁寧だ。
悲惨な時間を過ごしてきたとは思えない明るさは、底知れない強さの表れなのだと思う。
「バレリア大変だったね、まだまだ心配だね…」そう言うとバレリアは「大丈夫‼️頑張るしか無い💪」そんな答えが返ってくる。
私たちが学ぶのは、バレエの技術だけではない。
ここにバレリアがいてくれることに感謝し、ただひたすらに、世界の平和を祈る…
秋山エリカ