体育館には全身が映る大きな鏡がある。
自分が選手の頃のことだ、鏡の中に身体中アザだらけ、ボロボロになっている自分を見たことがある。
その時だ、たまたま近くに置いてあった雑巾が目に入った…
ボロボロの雑巾を見て、まるで自分みたいだ…
そう思うほど、その時の私は疲れていた…
一口、水を飲み、改めてその雑巾に目をやった時に、ふと違う考えが頭に浮かんだ。
雑巾はボロボロになればなるほど床はピカピカになって行く、同じ場所を何度も行ったり来たり拭けば拭くほど磨かれていく…
自分がボロボロになっていると言うことは、演技が磨かれていると言うこと…
雑巾がそう言っているような気がして元気が出た…
(雑巾が喋るはずもなく、雑巾を見てそんなことを考えるくらい、疲れで頭の中が吹っ飛んでいたのかもしれない💧でも確実に元気が出た‼️)
鏡の中の自分は相変わらず、ボロボロだったけど、何故か笑顔で練習している自分がいた…
秋山エリカ