もう30年も前の話しになる。
スマホもパソコンもない時代、1年間、1人でソビエト留学した事がある。
真冬はマイナス20度くらいになる、寒くて、一人で、真っ暗で、言葉も分からなくて、何でこんな所に来たんだろうと悩んだ事があった。
自分で選んだ道なのにね…
留学して2ヶ月、ソビエトは崩壊して私の住む場所はロシアと言う国になった。
灰色の空と凍った大地、スーパーに行っても物は無く、レストランに入ってメニーを見て注文しても、それは材料がないから作れないと言われることが度々あった…
地下鉄乗り場の階段でりんごや花を抱える老人がいた、片言のロシア語で話しかけて物を買った…
6月、春が来て雪が溶け緑が芽吹き始めた…
春がこんなにも幸せなものなんだと生まれて初めて知った
辛い思いをして日本の素晴らしさがあらためて分かった…
その時の経験が今の自分を作っている…
辛いことは幸せの種となる…
秋山エリカ